かかりつけ薬局とセルフメディケーション

はじめに・・・
日本人の平均寿命は女性86歳、男性80歳(平成25年)。一方、健康寿命というものがあり、統計は少し古いですが女性74歳、男性70歳です(平成22年)。健康に不安なく、元気に過ごせる年齢と言うことですが、この差(女性12年、男性10年)が要介護状態となる可能性のある年数です。
この差を縮めていくことが日本での課題となっています。すなわち生きてる間は元気に過ごし、死ぬときはコロっと逝く。いわゆる「ピンピンコロリ」です。誰しも健康で長生きしたいですよね、その根底となる考え方のひとつにセルフメディケーションがあります。

セルフメディケーションのポイント(規則正しい生活を心がける)
私たちの体には、病気を予防したり、病気やけがなどから回復するための力=「自然治癒力」が備わっています。自然治癒力を低下させないこと=セルフメディケーションのポイントです。

自然治癒力を低下させないために
日ごろからの健康管理により、健やかな生活を送ることにあります。
不規則な食生活や睡眠不足、運動不足などの不摂生を続けると体力や抵抗力が落ち、風邪を引いても長引いたり、去年まで大丈夫だった花粉症に突如なったりということもあります。またこのような不摂生が長い間蓄積されると、糖尿病や脂質異常症、高血圧などのいわゆる生活習慣病を発症させてしまう事があります。
規則正しい食事、適度な運動を心がけ、人に本来備わっている自然治癒力を維持し、いつまでも健康的な暮らしを維持しましょう。また、自分を含め家族の健康管理に積極的に関わり、家族全員の生活習慣病の予防や健康維持について関心を持ちましょう。

市販薬を上手に使いましょう
かぜ気味、頭が痛い、胃腸の調子が悪いなどは日ごろよく経験することです。そんな時、市販のかぜ薬、頭痛薬、胃腸薬などを利用し無理せず休む。これで治ることも多いでしょう。
 市販薬(OTC医薬品)を上手に使い、軽度な体の変調は自分で(セルフ)手当てすること(メディケーション)が出来ます。
 本来、セルフメディケーションとは、ちょっとした体の変調については、市販の薬を購入し対応することを言いましたが、生活習慣を改善し、病気にならない体作りをも含めた解釈が一般的となりました。

正確な知識を持つ専門家を活用しましょう。
ご家族や自分のかぜの症状やけがの状況を見て、的確な薬を正しく使用する知識は必要です。
 不十分な知識では、かえって悪い結果を招くことも。
 わからない事があったら、薬剤師、登録販売者など、薬の専門知識を持った人たちに、しっかり確認しましょう。メーカーのお客様相談室などを利用するのも便利です。

健康と生活習慣をチェック
自分や家族の健康状態を知っておかなくては、セルフメディケーションは実践できません。健康診断結果の問題点についてかかりつけの医師や薬剤師などの専門家に相談しながら、生活全般を見直す事が大切です。

 最近では、体重だけでなく、体脂肪、BMI(肥満度)、血圧、尿糖などの測定機器や検査薬が市販されており、日ごろから健康管理が手軽に出来るようになりました。数値とその推移をチェックすることで健康への意識も高まります。